ピーターラビットのお茶

英国の童話『ピーターラビット』では母親うさぎが一杯のカモミールティーをベッドに寝ているピーターに運ぶ場面が描かれています。わが国には江戸時代にオランダやポルトガルから伝えられ1962年までは医薬品として承認されていました。ジャーマンカモミールの薬理作用は抗炎症作用と鎮痙作用、つまり痙れんを鎮める作用です。したがって適応としては胃潰瘍や胃痙れん、月経痛や皮膚炎です。消化器系の不調には適量のペパーミントとブレンドすると清涼感が得られて効果が高まります。カモミールにはジャーマン種とローマン種がありますがジャーマン種の方がカマズレンという抗炎症成分の含有量が多く、味も飲みやすいのでお勧めです。

基本情報

学名：Matricaria camomilla
別名・和名：カミツレ（加密列）
科名：キク科
使用部位：花部
主な成分：αピサポロール、カマズレン、マトリシン、アピゲニン、ルテオリン
注意：キク科アレルギーの人は注意してください。

薬草としての効果

コラム

学名が伝えるハーブの本質

学名とは世界共通の学術的な名称をいいます。ジャーマンカモミールの学名はMatricaria camomilla ですがラテン語のMatrixは子宮を表すことから古くから婦人科系の不調に用いられてきたことがわかります。ちなみにアンジェリカ（ヨーロッパトウキ）の学名はAngelica archangelica ですが病めるひとびとを救ったエンジェル（天使）が語源になっています。